記事の一覧 › 定番ゲームを作る

最初の一本、15パズルを作ってみました

定番ゲームを作る

このゲームで遊ぶ

ごきげんよう、キョウカですわ。
このブログでは、昔からある定番のゲームをAIと一緒に一つずつ作りながら、分かったことを書いてまいります。
記念すべき一本目は、15パズルにいたしました。

4×4の盤。空いたマスの隣の札を滑らせて、1から15まで順に並べます
4×4の盤。空いたマスの隣の札を滑らせて、1から15まで順に並べます

15パズルを選んだ理由

15パズルは、4×4のマスに1から15の札が入っていて、一つだけ空いたマスへ、隣の札を滑らせて並べ直す遊びですの。
ルールは一言で言えるほど簡単です。けれど、作る側から見ると、ゲームに要るものが一通りそろっておりますの。

  • 盤の上の札を、決まりどおりに動かす
  • キーやタッチの操作を受け取る
  • そろったかどうかを確かめる
  • 手数や時間を記録する

最初の一本で欲張ると、きっとどこかで迷子になります。ですから、絵も音楽もほとんど要らない15パズルで、まず「ゲームの骨組み」を覚えることにいたしました。

どのAIにお願いしたか

わたくしはプログラムが読めませんの。ですので、今回はプログラムをすべてClaudeにお願いしました。

作業お願いしたAI選んだ理由
プログラム(遊び・操作・音)Claudeわたくしの決めた「ゲームの作り方」を渡して、一から書いていただきました
絵使っていません札は数字だけで足りるので、今回は見送りました

わたくしの仕事は「何を作るか」を決めることと、実際に遊んで「気持ちよく動くか」を確かめることです。
動かしてみて気になったところを言葉にしてお伝えし、直していただく。その繰り返しで形にしてまいりました。

作って分かったこと

札を無作為に並べると、解けないことがある

いちばん驚いたのが、これですの。
15枚の札を無作為に並べると、ちょうど半分の並べ方は、どうやっても1から順に戻せないのだそうです。たとえば、ほかは全部そろっていて14と15だけが入れ替わっている形は、決して解けません。

そこで、混ぜ方を変えました。
そろった形から、本当に動かせる手だけを使って混ぜるのです。動かした手を逆にたどれば必ず元に戻れるので、どの並びも必ず解けますの。
ついでに、動かした札をすぐ元に戻す手は選ばないようにしました。行ったり来たりで、混ぜたつもりが混ざっていない、ということを防ぐためですわ。

操作は3通り、それぞれに「気持ちよさ」がある

パソコン・スマホ・ゲームパッドのどれでも遊べるようにしたら、操作ごとに考えることがまるで違いました。

  • キー:矢印を1回押すと札が1枚、矢印の向きへ動きます。「空いたマスが動く」のか「札が動く」のかで迷いましたが、目で追うのは札のほうなので、札が動くほうにいたしました
  • タッチ・マウス:動かしたい札を1回押すだけ。空いたマスと同じ列の札なら、間の札ごとまとめて滑ります。1枚ずつ押すより、ずっと手早く遊べますの
  • ゲームパッド:十字ボタンを押し続けると、少し待ってから続けて動きます。待ち時間は20フレーム、その後は10フレームごと。ここが短すぎると、1枚だけ動かしたいときに行き過ぎてしまいますの

動かせない札を押したときは、札が小さく震えて音が鳴ります。「押したのに何も起きない」がいちばん不安になりますから、ここはぜひ入れたかったところですわ。

スマホでは盤が画面の真ん中に来ます。正しい場所にある札は、ラベンダー色になります
スマホでは盤が画面の真ん中に来ます。正しい場所にある札は、ラベンダー色になります

札はピンク、正しい場所に収まった札はラベンダー色にしました。どこまでそろったかが、一目で分かりますの。全部そろうと、札がレモン色に変わりますわ。

盤は4×4一つ、毎回混ぜ直す

「遊ぶ」を押すたびに、4×4の盤を400手混ぜ直してお出しします。ですから、毎回違う並びで遊べますの。
そろえたら手数と時間が出て、最少の手数と最短のフレーム数を覚えておきます。目指すのは、自分の記録を縮めることですわ。

画面は3つだけ

わたくしが育ったのは、叔父のファミコンとスーパーファミコンです。電源を入れたら、すぐ遊べる。説明書を読まなくても、触れば分かる。あの気持ちよさを、自分のゲームの決まりにいたしました。

  • 画面は タイトル・遊ぶ・終わり の3つだけ。面選びや設定の画面は作りません
  • 押せるものは、いつも見えるボタンにしました。「混ぜ直す」「タイトルへ」、それから右上の音のボタン。隠れたメニューはありません
  • 遊び方の説明画面も作らず、最初の一手を動かすまで、盤の下に一言だけ出しておきます
タイトルは、題名と「遊ぶ」だけ。一度そろえると、ここに自分の記録が出ます
タイトルは、題名と「遊ぶ」だけ。一度そろえると、ここに自分の記録が出ます

作りながら気付いたこと

  • 「15パズル」という名前が答えだった:3×3や5×5も遊べるようにしようかと、少し考えましたの。けれど、15パズルは4×4に15枚の札を並べるから「15パズル」ですのよね。大きさを選ばせるより、4×4一つに絞って、そのぶん毎回混ぜ直すほうが、この遊びらしいと気付きました
  • 決まりを先に書くと、迷わない:作り始める前に、「画面は3つだけ」「押せるものはいつも見せる」と、自分のゲームの決まりを書き出しました。迷ったときは、そこへ戻ればよいので、とても楽でしたわ
  • 縦と横で、置き場所を変える:スマホを縦に持つと、横長の画面と同じ並べ方では窮屈になります。縦のときは、記録を盤の上に、ボタンを盤の下に並べ替えました

どれも、実際に遊んでみて分かったことですの。遊ぶ人と同じ道を通って確かめることが大切なのだと、身に染みましたわ。


……少しだけ、昔のお話を

15パズルは、1880年ごろのアメリカで大流行したパズルなのですって。
しかも先ほどの「14と15だけ入れ替わった形」を並べ直せたら賞金を出す、というお話まで残っておりますの。解けないと分かっている形に賞金ですのよ! 混ぜ方一つで、こんなに奥の深いお話が出てくるなんて、レトロなものはやっぱりたまりませんわ。これってつまり、札を2枚入れ替えるたびに並びの「偶奇」が反転して、空いたマスの移動と合わせて考えると――

……あら、ごめんあそばせ。つい熱が入ってしまいました。ふふっ。

次のゲーム

次は、箱入り娘を考えております。大きな駒を出口まで運ぶ、あのパズルですの。

それでは、ごきげんよう。